夏の思い出


2006/09/01 山上

 

8月に、とある場所へ、新婚旅行以来の夫婦だけでの旅に行ってきた。
そこで今回、第2回目のコラムにふさわしいかは別として、
どんな珍道中を繰り広げたか皆さんにお伝えしようかと思う。

旅行を決めた経緯はこうだ。

今年の夏休みは客先が11連休ということもあり、そんな長期間何をして過ごそうか悩んでいたところに、
家内の親から思いがけぬ一言が飛び出した。「子供を預かってあげるから、夫婦二人で旅行でもしてきたら?」
義母は社交辞令で言ってしまったのかもしれないが、時既に遅し。
我々は全く遠慮せず、旅行を決めてしまった。

私は無類のドライブ好きで、毎週のように家族とドライブする。
(家族は迷惑がっているかもしれないが・・・いや、迷惑がっている)
そんな私の夢はマイカーで本州旅行する事だった。
当然、マイカーで行く旅を選択した。

テーマは、『秋田・岩手・青森の雄大な景色を見よう!!』
渋すぎると思われるかもしれないが、綺麗な景色が良いと思う歳になってしまった。
家内の意見は無論取り入れない。仕事から帰った後、子供達とも遊ばす、
家内とも話さず少しずつ行程表を作成して旅行ガイドブックみたいなものを作った。(この作業がまた楽しい)

準備は整った!!(家内は呆れていた)
あとは出発日を待つだけだったのだが・・・。

[出発の3日前]

アクシデントが発生。カーナビが突然動かなくなった。DVDが全く動いている様子がない。
何が起きた???直す暇は当然なく、慌てて、東北の道路地図を買いに行った。 。

[出発日]

観光:苫小牧東港→秋田港
仕事を午前中で終わらせ、いよいよ出発。
カーナビは相変わらず原因がつかめず、壊れたまま。
この日の札幌はとても良い天気だったが、苫小牧に近づくにつれ風が強くなり濃霧となった。
また台風の動きも気になる。揺れる予感。


★写真は乗っていったフェリー「あざれあ号」
秋田港にて

初めての大型フェリーだったため、乗船手続きに手間取った。
なんとか車も人も無事に乗って、
19時30分 いざ日本海へ!!・・・やっぱり揺れた。
今回は残念ながら2等室でゴロ寝だったが、
揺れた以外はなかなか快適だった。

[2日目]

観光:秋田港→男鹿半島→角館→抱返り渓谷→田沢湖高原ホテル
天候:晴天→雷雨

7時45分、12時間掛かってついに秋田上陸。こんなにワクワクするのは久しぶりだ。
普段、ハンドルを握っている時はあまり喋る方ではないが、良く喋る自分がいた。
今回、ビデオを車内に固定し撮影し続けたのだが、帰ってきてから見てみると
本当に恥ずかしいくらいに良く喋っていた。

それはさておき、秋田は朝から猛暑。まずは秋田港から海沿いを走り、男鹿半島へ。
男鹿半島では、寒風山・なまはげ館・八望台・水族館を観光。男鹿半島で面白かったのは、
なまはげ館。なまはげ館に通じる道に「なまはげライン」という名がついてる。
そこを走行中、家内が人の頭を見て「あんたこそ生ハゲだねっ」と横で笑っていた。
まったくコイツは!!!いやいや、本当に面白かったのは、そんな事ではない。
古い伝統としきたりを厳粛に受け継いでいる、なまはげ習俗を体感できるのだ。


★写真は、なまはげ館での体験中の様子

「うぉ~、わるいごはいねぇ~か~」すごい迫力の声である。
「だんなをだいじにしねぇ、よめはいねぇ~が~」
すかさず「おっ!お前の事だね?」と家内に言い放ってやった。
さっきのお返しである。
その直後、なまはげが「おっ、おめぇがー」と言いながら
家内の肩を掴んだのには笑えた。
なまはげさんもよくご存知で。


★写真は、抱返り渓谷のつり橋からみた風景

次に、角館で武家屋敷を観光。
(といっても車の中からみただけ)
その後、抱返り渓谷に行った。ここが、まさに絶景だった。

予定通りの観光を終え、我々は田沢湖高原ホテルに
向かった。ホテルへ向かう途中、急に天候が変わった。
雷豪雨である。

しかもカミナリは田沢高原ホテル付近に落ちているように見えた。
予測的中。もろにホテルに直撃している。ホテルはギシギシ揺れ、何度も停電した。
それはそれで楽しかったが。

[3日目]

観光:田沢湖一周→玉川ダム→八幡平→松川地熱発電所→十和田湖→十和田レークサイドホテル
天候:晴れ→曇り→雨


★写真は、田沢湖にたつ辰子像

雨も上がり、朝食前に1時間かけて田沢湖を一周した。
田沢湖は日本の湖で一番深いらしい。
ちなみに2番手は我が北海道の支笏湖、
3番手は十和田湖だそうである。
ここも、朝日の光が反射してとても綺麗だった。

おいしい朝食を終えチェックアウト後、玉川ダムを観光し八幡平へと向かう。
八幡平は標高1500mの山を車で登れて、雄大な景色を眺める事ができる。
気温もさすがに標高1500mだけあって、下より10℃ほど低く涼しかった。

ここで、まいったのは虫である。
私は子供のころ旭川の自然の中で育ったが、虫が好きではない。
その私にブヨだのアブだのハチだのが襲い掛かってきた。
(実際は、ただ周りで飛んでいるだけなのだが、私はそう解釈しない)
こうなったら、ゆっくり観光どころではない。
家内にバカにされながらも、さっさとビデオ・写真だけとって車内に戻った。

その後、文字通り地下のマグマ熱を利用した地熱発電所を観光後、十和田湖へ。
ここでまたアクシデント。
十和田湖へ向かう東北自動車道を走行中、右足がアクセルからなんとなく離れない事に気がついた。
気になったのでPAに止まり確認したところ、なんと、靴の裏にガムが付着しアクセルとくっついてしまっていた。いつガムを踏んでしまったのか、とんだ災難である。


★写真は、十和田湖上の小島の紅葉

そんなこんなで本日最後の観光場所、十和田湖に到着。
十和田湖では大型遊覧船に乗る計画をしていたが、
宿泊先のホテルで経営している小型だが貸切で遊覧できる
ボートがあることを知り、急遽そちらに変更。
これが、大正解。
大型遊覧船では行けない様な場所にも行けて、
そこがまた絶景。日本一早い紅葉を見ることもできた。

また、遊覧船受付のログハウスで非常においしいアップルパイを堪能。
虫事件、ガム事件と嫌な事はすっかり忘れてしまった。
観光終了後にまたも雨。いまのところ、観光中は雨にあたらず運がいいが・・・。

[4日目]

観光:奥入瀬渓流→まんじゅうふかし→城ヶ倉大橋→弘前公園→八甲田ロープウェー→
雪中行軍銅像→ねぶたの里→青森市街観光
天候:晴れ→また豪雨


★写真は、奥入瀬渓流

今日の大目的は奥入瀬渓流をゆっくり見る事と、水曜どうでしょうの大泉君が
「闘痔の旅」で訪れた「まんじゅうふかし」である。
奥入瀬渓流は紅葉の時期が一番と言われてきたが、夏もいいではないか!
ものすごい水流、青々とした草木が心を癒してくれた。

次は楽しみにしていた「まんじゅうふかし」。
水曜どうでしょうで大泉君が言っていたあのセリフ。
「まんじゅうをふかせるくらいの蒸気を人の肛門にあてるんでしょー?」
その通りである。熱い。でも気持ちよかった。

その後、城ヶ倉大橋・弘前城を観光し八甲田ロープウェーに向かったのだが
ここで、突然の豪雨。ついに、観光中に雨にあたってしまった

八甲田山頂は霧で何も見えないと言われたが、折角来たのでロープウェーに乗った。
言われた通り何も見えずちょっとガッカリ。
気を取り直して、雪中行軍銅像・ねぶたの里と雨の中、観光した。最後は青森市街を散歩。
青森山田高校の甲子園出場の垂れ幕があちこちにあった。
がんばってほしいねーなんて言ってたら、対戦相手は駒苫だったのね。
そういう事であればがんばらないで欲しいなあ。
(結果は既にご存知の通り。激闘の末、駒苫の勝ち!!)
さて、明日はいよいよ最終日だ。

[最終日]

観光:三内丸山遺跡→夏泊半島・大島→青函連絡船八甲田丸→青森港→函館港
天候:晴れ

旅の最終日。今日は、観光時間に制限がある。
15時までにフェリーの受付を済まさなければならないからだ。
午前中、三内丸山遺跡を観光し、計画にはなかった夏泊半島の大島というところへ向かった。
向かったはいいが結構渋滞で、大島へ向かう道が細くてかなり険しい。
時間が気になり始め、少しイライラしながら走っていると、急に陸奥湾の絶景が目の前に現れた。


★写真は、夏泊半島の大島と私

イライラが収まる。来て良かった。
14時30分には青森フェリーターミナルに到着。
手続きもすんなり終わり、17時には本州ともお別れ。
20時30分、函館港に近づいた時フェリーから花火が見えた。
最後まで、いい旅だった。

[エピローグ]

旅の話はこれにて終了。

私は昔、こういう旅は子供が成長して親元から離れてからゆっくりできればいい、いつかは行ける、
そう思っていた。でも、あるきっかけで考え方が180度変わってしまった。
その「いつか」は本当に訪れるのだろうかと。
行けると思った時に行った方が良いのではないかと。

今回、そんな思いから急遽、義母、子供達には悪いと思ったが、旅を決行した。
夫婦だけの旅行は、はたしてあと何回行けるのだろう。

(毎年、子供預かってくれないかなあ←全然悪いと思ってません)

私はこの貴重な夏の出来事を一生忘れないだろう。。。

 

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